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切除術の詳しい解説

せつじょじゅつ

意味

切除術は、外科手術の一種で、病変部や不要な組織を身体から切り取って除去する手術法を指します。腫瘍、潰瘍、損傷した臓器の一部など、健康を脅かす部位を物理的に取り除くことで、疾患の治療や症状の緩和、さらにはがんの根治を目指します。手術の規模は局所的な小さな切除から、臓器全体の摘出まで幅広いです。病理学的な診断材料を得る目的で行われることもあり、現代医学において最も基本的かつ重要な治療手段の一つとして位置付けられています。

主な特徴と構成

切除術の主な特徴は、病変組織を物理的に除去することで疾患を根本的に治療しようとする点にあります。手術範囲は病変の性質や広さに応じて決定され、局所切除、広範囲切除、臓器摘出など多様な形式が存在します。手術手法としては、従来の開放手術に加え、内視鏡やロボット支援システムを用いた微创手術が普及し、侵襲の低減と早期回復が図られています。切除した組織は病理検査に供され、がんの悪性度や切除端の陰性確認など、予後判断や追加治療の必要性を決定する重要な情報源となります。

具体的な事例と影響

具体的な事例としては、胃がんに対する胃切除術や乳がんに対する乳房切除術、甲状腺腫瘍の甲状腺切除術などが挙げられます。これらの手術は、がんの進行を止めるだけでなく、転移を防ぐためにも不可欠です。近年では、腹腔鏡下手術やダ・ヴィンチ手術といった高度な技術により、傷跡を最小限に抑えながら精密な切除が可能になり、患者のQOL向上に寄与しています。また、臓器移植前の病変除去や、難治性潰瘍の治療など、多様な疾患領域で応用されており、外科医の技術と医療機器の進化が手術の成功率と安全性を大きく高めています。

概要と定義

切除術は、医学における外科治療の根幹をなす手術手技の一つであり、病変部や機能的に問題のある組織、あるいは身体にとって不要となった部位を外科的に切り取り、除去することを指します。この手術の最も重要な目的は、疾患の原因となっている病変を物理的に体外へ取り除くことで、病状の改善、進行の阻止、そして最終的な治癒を目指すことにあります。例えば、悪性腫瘍(がん)においては、病変組織を完全に切除することで、がん細胞の増殖や転移を防ぎ、根治を目指すことが切除術の主要な役割となります。また、良性の腫瘍であっても、大きくなることで周囲の組織を圧迫したり、機能障害を引き起こしたりする場合には、切除が検討されます。さらに、外傷によって損傷した臓器の一部や、感染、炎症などによって機能が著しく低下し、回復の見込みがない組織なども、全身の健康維持のために切除の対象となることがあります。

切除術の適用範囲は非常に広く、その規模は病変の性質、大きさ、部位によって大きく異なります。ごく小さな皮膚のできものから、臓器全体(例えば、胃、大腸、肝臓、肺、乳房など)の摘出に至るまで、多岐にわたります。また、切除術は治療のみならず、病変の正確な診断を下すための病理組織検査の検体を得る目的でも行われます。病理検査によって、病変が悪性か良性か、どの程度進行しているか、切除範囲は適切かといった情報が得られ、その後の治療方針を決定する上で不可欠な要素となります。このように、切除術は疾患の治療、症状の緩和、予後の改善、そして診断のための情報収集といった、医学的アプローチにおいて極めて基本的かつ重要な位置を占める手術手技と言えます。

歴史と背景

切除術は、病変や不要な組織を外科的に取り除く手術法であり、その歴史は古代にまで遡ることができます。初期の切除術は、現代のような麻酔や無菌技術が存在しない中で行われており、出血や感染症のリスクが非常に高く、成功率は極めて低いものでした。それでも、外傷による損傷部位の切断や、目に見える腫瘍の除去など、限られた状況下で試みられていたと考えられています。これらの初期の試みは、痛みを伴い、しばしば患者の生命を危険に晒すものでしたが、病変を物理的に取り除くという根本的なアプローチの重要性を示唆していました。

切除術の発展に大きな転機をもたらしたのは、19世紀における麻酔法と無菌術の確立です。1840年代にエーテルやクロロホルムを用いた麻酔法が導入されたことで、それまで数秒から数十秒で完了させる必要があった手術が、長時間にわたって安全に行えるようになりました。これにより、より広範囲で複雑な切除が可能となり、手術の適用範囲が飛躍的に拡大しました。さらに、ジョゼフ・リスターらが提唱した消毒・滅菌の概念が普及したことで、術中の感染症リスクが劇的に低下し、手術の成功率と患者の生存率が大幅に向上しました。これらの革新は、切除術を単なる「痛みを伴う処置」から、体系化された医療行為へと昇華させました。

20世紀に入ると、画像診断技術の進歩(X線、CT、MRIなど)により、病変の早期発見と正確な位置特定が可能になり、より的確な切除計画が立てられるようになりました。また、抗生物質の開発は、術後の感染症対策をさらに強化し、複雑な手術や臓器移植といった、それまで不可能であった高度な外科治療を現実のものとしました。さらに、内視鏡技術やロボット支援手術といった低侵襲手術の登場は、切除術の概念をさらに進化させ、身体への負担を最小限に抑えながら、精密かつ安全な病変除去を可能にしています。これらの技術革新は、切除術の歴史を、古代の原始的な試みから、現代の高度で洗練された治療法へと導いたと言えるでしょう。

主要な仕組み・原理

切除術は、病変部位や不要となった組織を外科的に取り除く手術手技であり、その根幹には生体工学的な原理と生理学的なメカニズムが深く関わっています。手術器具を用いて病変部位の周囲組織を正確に切断する際には、組織の性質(硬さ、弾性、血管分布など)を理解し、適切な器具(メス、ハサミ、電気メスなど)を選択することが求められます。組織の切断は、物理的な力による機械的切断と、高周波電流やレーザーなどによる熱エネルギーを用いた切開に大別されます。機械的切断は組織を直接的に分離しますが、熱エネルギーを用いる切開は、組織の凝固・蒸散作用により出血を抑制しながら切開を進めることが可能です。この熱エネルギーの応用は、切除術における出血量の最小化と手術時間の短縮に大きく貢献しています。

切除術において最も重要な生理学的メカニズムの一つが止血です。手術中に発生する血管からの出血は、患者の生命を脅かす可能性があるため、迅速かつ確実な止血が不可欠となります。止血には、物理的な圧迫、電気メスによる焼灼、縫合糸による血管結紮、あるいは止血剤の使用など、多岐にわたる方法が用いられます。特に、電気メスは組織を凝固させながら切開するため、微小な血管を同時に閉鎖し、出血を効果的に抑制します。また、大きな血管に対しては、縫合糸を用いて結紮することで、持続的な止血を図ります。これらの止血手技は、患者の循環動態を安定させ、手術の安全性を確保する上で極めて重要です。

さらに、切除術では神経保護も重要な考慮事項となります。切除対象部位の近傍には、生命維持や身体機能に不可欠な神経が存在することが多く、これらの神経を損傷することは、麻痺や感覚障害などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、外科医は解剖学的な知識に基づき、神経の走行を正確に把握し、切除操作中に神経を保護するための細心の注意を払います。神経剥離や保護のための特殊な器具の使用、あるいは手術用顕微鏡を用いた精密な操作などが行われることもあります。このように、切除術は単に組織を切除するだけでなく、生体工学的な切断・縫合技術と、止血や神経保護といった生理学的なメカニズムを統合的に駆使することで、安全かつ効果的に行われる高度な医療行為なのです。

構成要素・基本構造

切除術は、外科治療における根幹をなす手技であり、その実施にあたっては多岐にわたる構成要素と標準化されたプロセスが不可欠です。本章では、切除術を安全かつ効果的に遂行するために必要な機器・器具、医療チームの編成、そして術前診断から術後ケアに至るまでの包括的な流れを体系的に解説します。

まず、手術に必要な機器・器具についてですが、切除術の根幹をなすのは、病変部を正確に切開し、剥離し、そして止血するための各種メス、ハサミ、鉗子類です。これらは材質、形状、サイズなど、切除対象となる組織や手術部位の解剖学的特徴に応じて細かく使い分けられます。止血には、電気メスや超音波メスといった高周波電流を用いるものや、血管を結紮するための糸(リガチャー)などが用いられ、出血を最小限に抑えることが手術の安全性を確保する上で極めて重要となります。また、臓器や組織を一時的に固定したり、牽引したりするためのグリッパーやリトラクター、組織の吸引や洗浄に用いる吸引器なども必須の器具です。近年では、内視鏡手術やロボット支援手術の普及に伴い、これらの特殊な手技に対応した高機能な機器(腹腔鏡用鉗子、手術用ロボットアームなど)が導入されており、より低侵襲で精密な切除を可能にしています。

次に、医療チームの構成は、切除術の成功に不可欠な要素です。中心となるのは、高度な外科的技術と判断能力を有する執刀医ですが、その傍らには、執刀医の指示に従い器具の受け渡しやガーゼカウントなどを行う第一助手、第二助手といった外科医、麻酔科医、手術室看護師(器械出し看護師、外回り看護師)、臨床工学技士などが配置されます。各々の専門職が連携し、円滑な手術進行と患者の安全確保に努めます。特に麻酔科医は、手術中の患者のバイタルサインを常に監視し、適切な麻酔管理を行うことで、手術の安全性を担保します。

手術プロセスは、大きく分けて術前、術中、術後に分類されます。術前においては、病変の正確な位置、大きさ、周囲組織との関係性を把握するために、CT、MRI、超音波検査などの画像診断が不可欠です。これにより、切除範囲の決定、手術計画の立案、合併症のリスク評価が行われます。また、患者の全身状態の評価や、必要に応じた術前処置(感染予防のための抗生剤投与など)もこの段階で行われます。術中は、上記で述べた機器・器具を用い、計画に沿って慎重に病変組織の切除が進められます。出血管理、神経や血管の温存に細心の注意が払われ、必要に応じて迅速病理診断が行われ、切除断端の評価などが行われることもあります。術後においては、創部の管理、疼痛管理、感染予防、合併症の早期発見・対応が重要となります。リハビリテーションや栄養管理も、患者の早期回復とQOL向上に寄与する重要な要素です。このように、切除術は単一の行為ではなく、周到な準備、高度な技術、そして多職種による緊密な連携によって成り立っているのです。

主要な種類・分類

切除術は、その目的や範囲、さらには用いられる技術によって多岐にわたる分類が存在します。まず、切除範囲に基づく分類としては、「広汎切除」と「局所切除」が代表的です。広汎切除は、病変組織のみならず、その周囲のリンパ節や所属リンパ節領域といった広範囲の組織をまとめて切除する手法です。これは、がん細胞が周囲組織やリンパ節に浸潤・転移している可能性を考慮し、根治性を高めるために行われます。例えば、進行したがんに対する手術では、広汎切除が選択されることが多くなります。一方、局所切除は、病変部のみ、あるいはごくわずかな周囲組織にとどめて切除する手法です。早期がんや良性腫瘍など、病変が限局している場合に適用され、身体への負担を軽減し、機能温存を図ることを目的とします。皮膚の良性腫瘍の摘出や、初期の乳がんに対する部分切除などがこれに該当します。

次に、手術の方法や使用される技術に基づく分類も重要です。従来から行われている「開放手術」は、皮膚を切開し、直接目視しながら手術を行う方法で、広い視野を確保できるという利点があります。しかし、切開創が大きくなるため、術後の疼痛や回復期間が長くなる傾向がありました。これに対し、近年急速に普及しているのが「内視鏡手術」と「ロボット支援手術」です。内視鏡手術では、数ミリ程度の小さな切開創から内視鏡や手術器具を挿入し、モニター画面を見ながら病変部を切除します。傷口が小さいため、出血量が少なく、疼痛も軽減され、回復が早いというメリットがあります。また、ロボット支援手術は、医師が操作するロボットアームが精緻な動きを行うことで、より複雑で繊細な操作を可能にします。特に、狭い空間での手術や、神経・血管の温存が重要な手術において、その真価を発揮します。これらの低侵襲手術の発展は、切除術の適用範囲を広げ、患者さんのQOL(生活の質)向上に大きく貢献しています。

具体的な事例・応用

切除術は、外科手術の中でも病変部や不要となった組織を身体から物理的に取り除くことを目的とした治療法です。その応用範囲は非常に広く、がん治療から外傷への対応、さらには良性疾患の治療に至るまで、多岐にわたります。ここでは、具体的な事例を通して、切除術がどのように適用され、どのような効果をもたらすのかを解説していきます。

がん治療における切除術は、最も代表的な応用例の一つです。例えば、胃がんに対する胃切除術では、がんを含む胃の一部または全部を切除します。病変の進行度や位置によって、幽門側胃切除術、噴門側胃切除術、胃全摘術など、様々な術式が選択されます。同様に、乳がんに対する乳房切除術は、がん組織を完全に除去し、がんの再発や転移を防ぐことを目的としています。病変の大きさや浸潤度に応じて、乳房部分切除術や乳房全切除術が選択されます。甲状腺に発生した腫瘍に対する甲状腺切除術も、良性・悪性に関わらず、腫瘍を摘出し、甲状腺機能への影響を最小限に抑えつつ、進行を防ぐために行われます。

がん以外の疾患においても、切除術は重要な役割を果たします。例えば、消化器系の疾患では、虫垂炎に対する虫垂切除術、胆石症に対する胆嚢摘出術などが一般的です。これらの手術は、炎症や感染の拡大を防ぎ、痛みを緩和するために行われます。また、外傷による損傷が激しい臓器の一部や、血流が途絶してしまった組織の切除も、感染の予防や全身状態の悪化を防ぐために必要となる場合があります。

近年では、腹腔鏡やロボット支援システムを用いた低侵襲手術が発展し、切除術の適用範囲と安全性がさらに向上しています。これらの技術を用いることで、従来は開腹手術が必要だったような臓器の切除も、小さな切開創で行うことが可能になりました。これにより、患者さんの身体への負担が軽減され、術後の回復が早まり、早期の社会復帰が期待できるようになっています。例えば、腹腔鏡下胃切除術やロボット支援下前立腺全摘除術などは、その代表例と言えるでしょう。

切除術は、単に病変部を取り除くというだけでなく、その後の病理検査によって、疾患の正確な診断や予後の予測、さらには追加治療の必要性を判断するための重要な情報を提供します。このように、切除術は現代医療において、疾患の根本的な治療を目指す上で不可欠な、そして日々進化を続ける重要な外科的アプローチなのです。

メリットと課題

切除術は、病変部や不要な組織を物理的に除去することで、疾患の根本的な治療を目指す外科手術の根幹をなす手技です。その最大のメリットは、病変を直接的に取り除くことによる疾患の根治、あるいは進行の抑制にあります。特に悪性腫瘍においては、がん細胞を完全に切除することで、再発や転移のリスクを低減し、長期的な生存率の向上に大きく貢献します。また、切除された組織は病理学的な詳細な検査に供され、病変の性質、進行度、切除断端の陰性確認など、予後予測や今後の治療方針決定に不可欠な情報を提供します。

近年、内視鏡手術やロボット支援手術といった低侵襲手術の発展は、切除術のメリットをさらに高めています。これらの技術を用いることで、従来の大規模な開放手術に比べて傷口が小さくなり、出血量や術後の痛みが軽減されます。結果として、入院期間の短縮、早期の社会復帰、そして患者のQOL(生活の質)の向上が期待できます。例えば、胃がんや大腸がんに対する腹腔鏡下手術は、すでに標準的な治療法として広く普及しており、その有効性と安全性が確立されています。

一方で、切除術には固有の課題も存在します。まず、いかなる外科手術にも共通する合併症のリスクです。出血、感染、臓器損傷、血栓症などが起こりうる可能性があり、特に高齢者や基礎疾患を有する患者においては、そのリスクが増大します。また、切除する臓器の機能温存との兼ね合いも重要な課題です。例えば、がんの根治を目指して広範囲に切除することが、術後の消化吸収障害や排尿障害といった機能障害を引き起こす可能性があります。そのため、病変の性質、広がり、患者の全身状態などを総合的に評価し、切除範囲と機能温存のバランスを慎重に検討する必要があります。

さらに、切除術は高度な外科的技術と経験を要する手技であり、その難易度は病変の部位や大きさ、周囲臓器との関係性によって大きく異なります。特に、重要血管や神経が近接している場合、あるいは過去の手術による癒着がある場合には、繊細かつ正確な操作が求められます。そのため、熟練した外科医による手術が不可欠であり、専門的なトレーニングを受けた医師の育成も継続的な課題と言えます。これらのメリットと課題を客観的に理解し、個々の患者にとって最善の治療法を選択することが、切除術を効果的かつ安全に実施するために不可欠です。

関連概念・周辺知識

切除術は、疾患の原因となる病変部や不要な組織を外科的に取り除く治療法であり、その効果を最大限に引き出すためには、他の治療法との併用や術後のケアが不可欠です。この章では、切除術に関連する概念や周辺知識について掘り下げていきます。

まず、切除術と併用される代表的な治療法として、化学療法(抗がん剤治療)と放射線療法が挙げられます。化学療法は、薬剤を用いてがん細胞の増殖を抑制したり、死滅させたりする治療法です。切除術の前(術前化学療法)に行われることで、腫瘍を小さくして切除しやすくしたり、手術後の再発リスクを低減させたりする効果が期待できます。また、切除術の後(術後化学療法)に、目に見えない微小ながん細胞を取り除く目的で行われることもあります。放射線療法は、高エネルギーの放射線を照射してがん細胞を破壊する治療法です。切除が困難な場合や、切除後に残存したがん細胞を死滅させるために用いられることがあります。これらの併用療法は、がんの種類、進行度、患者さんの全身状態などを総合的に判断し、最適な治療計画が立てられます。

次に、切除術後のリハビリテーションとQOL(Quality of Life:生活の質)向上についてです。手術を受けた患者さんは、身体的な回復だけでなく、精神的なケアも必要とします。切除術後のリハビリテーションは、早期の離床を促し、筋力低下や関節の拘縮を防ぐための運動療法、呼吸機能の回復を目的とした呼吸訓練など多岐にわたります。特に、臓器の切除を伴う場合は、その機能低下に対応するための食事指導や、日常生活動作(ADL)の再獲得に向けた訓練が重要となります。例えば、胃切除術を受けた方には、食事量の調整や消化吸収を助けるための指導が行われます。また、がん治療は患者さん本人だけでなく、ご家族にも大きな影響を与えることがあります。そのため、精神的なサポートや、社会復帰に向けた支援、経済的な問題への対応など、包括的なQOL向上のための取り組みが、医療チーム全体で連携して行われます。これには、心理士、ソーシャルワーカー、栄養士、理学療法士など、様々な専門職の協力が不可欠です。

さらに、切除術の適応や限界についても理解しておくことが重要です。切除術は、がんなどの疾患を根治する可能性のある強力な治療法ですが、すべての疾患や病状に適用できるわけではありません。病変が広範囲に及んでいたり、重要な臓器に浸潤していたりする場合、あるいは患者さんの全身状態が悪く手術に耐えられない場合は、切除術が困難となることがあります。このような場合には、化学療法や放射線療法、緩和ケアなどを中心とした治療法が選択されることになります。切除術は、あくまで治療法の一つであり、その選択は、疾患の特性、患者さんの希望、そして医療チームの専門的な判断に基づいて慎重に行われます。

最新動向とトレンド

切除術は、病変部や不要な組織を物理的に除去する外科手術であり、疾患の根治や症状緩和に不可欠な治療法です。その基本的な概念は古くから存在しますが、現代医学の進歩に伴い、手術技術や応用範囲は飛躍的に拡大しています。

最新動向とトレンド

切除術の分野は、AI支援手術システム、ナノテクノロジーの応用、そして最先端の最小侵襲手術(MIS)といった革新的な技術開発によって、目覚ましい進化を遂げています。これらの進展は、手術の精度、安全性、そして患者の回復性をさらに向上させることを目指しています。

AI支援手術システム

AI(人工知能)は、切除術の計画段階から実行、術後管理に至るまで、多岐にわたる側面で外科医を支援する可能性を秘めています。画像認識AIは、術前のCTやMRI画像から病変の正確な位置、大きさ、周囲臓器との関係を詳細に解析し、最適な切除範囲やアプローチを提案します。これにより、見落としや不必要な組織の切除を防ぎ、より精密な手術計画が可能となります。手術中においては、AIがリアルタイムで術野の映像を解析し、重要な血管や神経構造を強調表示したり、切除境界をナビゲーションしたりすることで、外科医の判断をサポートします。将来的には、AIが自律的に一部の手順を実行するロボット手術システムとの連携も期待されており、手術の標準化と質の均一化に貢献すると考えられています。

ナノテクノロジーを用いた切除技術

ナノテクノロジーは、分子レベルでの精密な治療を可能にし、切除術の新たな地平を切り開いています。例えば、ナノ粒子を用いた標的型薬剤送達システムは、がん細胞に特異的に集積し、その増殖を抑制したり、放射線療法や化学療法の効果を高めたりします。これにより、全身への副作用を最小限に抑えつつ、病変の縮小を図り、その後の切除手術をより容易かつ安全に行うことが可能になります。また、ナノマテリアルを用いた新しいイメージング技術は、微小ながん病変や転移巣を早期に検出する能力を高め、より早期かつ限定的な切除を可能にすることにつながります。将来的には、ナノロボットが体内を巡回し、病変を直接切除するような、SFのような技術も現実のものとなるかもしれません。

最小侵襲手術(MIS)の最前線

腹腔鏡手術やロボット支援手術に代表される最小侵襲手術(MIS)は、切開創を小さく抑え、患者への負担を軽減する手術法として確立されつつあります。現在、その最前線では、より高度な三次元(3D)画像、高解像度カメラ、そしてより繊細な操作を可能にする手術器具の開発が進められています。特に、内視鏡の先端に搭載された超音波プローブや蛍光イメージング技術は、術中に病変の深さや広がり、あるいは微小な転移巣をリアルタイムで可視化することを可能にし、切除の精度を飛躍的に向上させています。さらに、遠隔手術技術の研究も進んでおり、専門医が遠隔地にいる患者の手術を支援する、あるいは実施する未来も視野に入ってきています。これらの技術革新は、患者の回復期間の短縮、入院期間の減少、そしてQOL(生活の質)の向上に大きく貢献しています。

将来展望とまとめ

切除術は、疾患の原因となる病変組織や不要な組織を外科的に取り除くという、極めて直接的かつ効果的な治療法です。その本質は、身体の一部を物理的に除去することで、疾患の進行を阻止し、患者の健康回復を目指す点にあります。腫瘍、炎症を起こした臓器、外傷による損傷部位など、その適応範囲は多岐にわたり、疾患の種類や進行度に応じて、病変部のみをピンポイントで切除する「局所切除」から、臓器全体あるいはその一部を摘出する「広範囲切除」や「臓器摘出術」まで、様々なアプローチが取られます。また、診断の確定や治療方針の決定に不可欠な病理組織学的検査のための検体採取としても、切除術は重要な役割を担っています。これらの特徴から、切除術は現代医療において、がん治療をはじめとする多くの外科的疾患に対する根幹をなす治療法として位置づけられています。

手術技術の進歩は目覚ましく、切除術の未来はさらなる低侵襲化と高精度化へと向かっています。特に、内視鏡手術やロボット支援手術の普及は、従来は開放手術でしか対応できなかった複雑な切除を、より小さな創で、より精密に行うことを可能にしました。これにより、術後の回復期間の短縮、疼痛の軽減、そして美容的な観点からも患者の負担が大幅に軽減されています。将来的には、AI(人工知能)を用いた術前診断の精度向上や、手術ナビゲーションシステムの進化により、より安全かつ的確な切除範囲の決定、さらには術中の出血量や合併症のリスク低減が期待されます。また、再生医療や遺伝子治療といった先端医療との融合により、病変部のみを選択的に除去し、周囲の健康な組織への影響を最小限に抑える、より洗練された切除術の開発も進むと考えられます。これらの技術革新は、切除術の適用範囲をさらに広げ、これまで治療が困難であった疾患に対する新たな希望をもたらすでしょう。

本稿では、切除術の基本的な定義、その特徴、そして具体的な事例を通して、この外科治療法の重要性と多様性について解説してきました。切除術は、病変を物理的に取り除くという根源的なアプローチでありながら、医療技術の進歩とともに常に進化を続けています。局所切除から臓器摘出まで、その手法は疾患に応じて最適化され、低侵襲手術の普及は患者のQOL向上に大きく貢献しています。今後も、AIや再生医療といった最先端技術との融合により、切除術はより安全で効果的な治療法として、多くの患者の健康と生命を守るための重要な柱であり続けるでしょう。切除術の進歩は、外科医療全体の発展を牽引し、将来の医療の可能性を広げていくものと確信しています。

例文

  • 胃がんの治療において、病変部を含む胃の一部を切除する手術が行われた。

    特定の臓器の一部を切り取る文脈で使われる例。

  • 良性腫瘍であるため、局所麻酔下での単純な切除術で完治が見込まれる。

    手術の規模や麻酔の形態と組み合わせて説明する際の用法。

出典

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